自作PCで「電源は入るけど画面が映らない」問題に直面!マザーボード交換やキャプチャーボード対応のための格闘記録。
M.2 SSDの意外な落とし穴にも注意!誰かの役に立つかもしれない。
【導入】まいった。自作PCを組み立てたものの「電源は入るのに画面が映らない」というトラブルに直面した

特に、自作PC初心者ではなく、何度かパソコンいじりを経験している中級者にもありがちな落とし穴だったので、これから組み立てをする方や、トラブルで困っている方の参考になればなによりだ。
結論、今回のケースでは、M.2SSDを挿しなおしたら治った。
きっかけはSwitch2発表とキャプチャーボード買い替え
24日の午後、世間ではSwitch2の抽選結果が発表され、多くの人が落選の悲鳴を上げていた。
その頃、筆者は必死にPCと格闘していた。理由は、Switch2に備えて新しくキャプチャーボードを購入したからだ。

このキャプチャボードを使うためのOBSの設定などは下記記事へ。
買ったキャプチャーボードは、アバメディアのLIVEGAMERULTRA2.1 GC553G2W。
4K60FPSとFHD120FPSに対応。ただし、こいつはUSB3.2ポート必須。
ところが、筆者のPCはコストを抑えるためすべて最小構成で作っていたため、USB-C(USB3.2)ポートがなかった。
PCカードでUSB-C増設を試みるも……

まず考えたのが、PCIeスロットに挿す拡張カードでUSB-Cを増設する方法。
パソコンのマザーボードにはPCIeスロットという、任意で拡張できる部分がある。Wifiカードを挿せばWi-Fiが使えるようになるし、キャプチャボードを挿せば映像キャプチャができるようになるなど、多種多様だ。
今回は、ここにUSB-Cカードを挿入することで、USBCを増設することにした。
現在、筆者のマザーボードに余ったスロットはない。
唯一のX1ポートには、Wifiカードを挿しているので埋まってしまった。ただ、ネット接続には有線接続もあるので、Wifiは外してもそれほど困らない。外してしまおう。
ちなみに、もう1つあるx16スロットは、多くの人がそうであるように、グラフィックボードで使用している。
とりあえず秋葉原へ行き、x1スロット対応のUSB-Cカードを探したが、そんな都合のいい製品は見つからず・・・

TSUKUMOでx4用のカードを購入。
信頼と安心のTSUKUMO。相変わらず、かゆいところに手が届きすぎる商品棚には望むものが置いてあった。
ただし、x4ポート用。筆者のマザーボードのx1ポートにはつかえないのでめちゃくちゃ迷ったが、打つ手はあるので購入。


グラフィックボードを一時的に外して対処
動作確認をしないといけないので、とりあえず苦肉の策で、グラフィックボードを一時的に外し、x16スロットにUSB-Cカードを挿して対応した。

これで、製品の動作確認はできたのでヨシ。
さて、現状PCはオンボード状態。筆者の使っているRyzen5 5600Gは、AMDの中でも珍しくグラフィックボードが無くても映像が映るAPUなので、グラフィックボードを外しても画面は映る。だが4K録画には心もとない。
実際に録画を試してみたところ、録画開始から1分たらずで、負荷がかかる状態になった。
【作業】覚悟を決めてマザーボード交換

結局、ちゃんとUSB3.2ポートを搭載しているマザーボードに交換するしかないと決意した。
だが、マザーボード交換は自作PCを、1から作り直すのとほぼ同等の手間がかかる。
マザーボードを交換する際の手順
- ケーブル類を外す
- 古いマザーボードをケースから外す
- CPUファンをCPUから外す
- CPUを取り外す
- 新しいマザーボードにCPUを取り付ける
- グリスを塗り直してファンを付ける
- M.2 SSD、メモリ、ケーブルを再接続
- PCIeカード、グラフィックボードを取り付ける
配線以外はほぼ0からの組み立てと変わらない。
CPUの取り付けは特に注意。
この一連の作業、どれも気を使うが、CPU取り外し・取り付けは特に慎重にやらないといけない。気を抜いてしっかり差し込まずにCPUを押し込むバーを下げると、ピンが折れたり曲がったりする。ピンを曲げたら、そのCPUはもう使い物にならない。
【トラブル発生】しかし……電源は入るのに画面が映らない!!
全パーツを丁寧に組み直し、電源ボタンを押してみると……ファンも回るしLEDも光る。電源は入っている。
なのに、画面が真っ暗!!!

トラブルシューティングを試みる

冷静に、できる限りの確認をした。
ケーブルの抜き差し(モニター、電源、内部配線)
ケーブルは主に、ケースファン、CPUファン、マザーボードメイン電源、HDDのSATAと、細かいフロントボードケーブルだ。フロントのケーブルは適当に挿したら電源ボタンが反応しない。回路はマザーボードごとに配置が決まっているので、マザーボードの取扱説明書を確認しよう。
メモリの抜き差し(意外とこれで直る場合も)
メモリには挿す場所が決まっていて、4ポートあるなら1つ飛ばして左から2番目が良い。
好きなところに一回挿してみて、それでもうまく行かなければ1つずらしてみて、全部のパターンをためしてみることだ。
グラフィックボードの挿し直し
グラフィックボードは、うまく刺さっていないと映像が映らない。しっかり押し込もう。
また、補助電源ケーブルを挿し忘れるのはプロでもたまにやるらし。
BIOSクリア(CMOSリセット)
Cmosリセットとは、マザーボードの電源を完全に落とすことだ。
意外と知られてないが、マザーボードは電源ケーブルを外しても生きている。時計のように、ボタン電池で給電され続けているのだ。なので、電池を外して5分放置する。こうすることで、コンデンサなどに溜まった電気を完全に吐き出させて、息の根を止める。これでマザーボードは不具合も含めてリセットできる。リセットしても悪いことは起きないので安心してほしい。ボタン電池の位置は、大抵グラフィックボードを外したところにある。
【原因特定】それでもダメ?ならば、原因はM.2 SSDだ。
もしかして、このマザーボード不良品か!?と諦めかけたそのとき、気になったのがM.2 SSD。あまり不具合の原因になるイメージはなかったが、一度抜いて、もう一度しっかり挿し直した。
すると——

無事、起動したが・・・なぜだ?
【結論】なぜM.2 SSDが原因だったのか?

結論から言うと、M.2 SSDが中途半端な接触状態になっていたため、画面出力まで行かなかった可能性が高い。今回、SSDを一番最初に抜き差ししたので、恐る恐るすぎたのかもしれない。
M.2スロットは、思ったよりも奥までしっかり挿し込む必要がある。今回は差し込みが甘く、認識エラーが起きていた模様。
M.2はグラフィックボードの下にいるので、動作確認で後回しになりがちになると思う。気付くのに時間がかかった。
そんなこんなで、作業が終わる頃には日付が変わってしまった。ふと気づくと友達からSkypeが届いていた。みんな落選したらしい。まぬけなやつらだ、そして俺にもNintendoからメールが届いていた。
Switch2は落選していた。
今回の教訓

今回のトラブルで得た教訓。
- 組み立て後、電源は入るのに画面が映らない場合、ストレージ(M.2 SSD含む)の接続不良も疑うべし
- パーツは一個一個確実に、しっかり挿し込むこと
- マザーボード交換作業は、ほぼ新規組み立てと同じ覚悟で挑むこと
- 諦める前に、初心に戻って基本チェックリストを全部やること
最後に
「電源は入るのに画面映らない!」で悩んでいる人、ぜひM.2 SSDやストレージ周りもチェックしてみてほしい。自作PC、まさかと思うところに落とし穴がある。
使用したPCの構成
CPU AMD Ryzen 5 5600G
マザー A520MA proからB550Mpro4
Switch2が発売後にはSwitch2での4K録画に挑戦する予定なので、6月5日以降、追記予定。