RF50mmしか持ってないけどマクロ撮影をしたい。でもむやみにレンズは増やしたくない。
そんな時にたまたま見つけたのがクローズアップレンズだ。
クローズアップレンズとは。マクロレンズとは違う選択肢。

クローズアップレンズとは、レンズの先につけるフィルターのことだ。通常の保護目的のフィルターと違い、内部には特殊な加工が施されており、これを装着するだけでマクロ非対応の撒き餌レンズでも被写体にグッと寄った撮影ができるようになる。
本来はマクロレンズを購入するべきところだろう。だがRFのマクロレンズは安くても6万円する。それに対して、今回使用するフィルターは1000円だ。試してみる価値はあるだろう。
物撮りでは引きの50mmだけじゃなく、寄りのマクロもあると、メリハリが出る。
寄りの一枚が加わるだけで、よりダイナミックで印象的な構図になることも珍しくないだろう。
作例。iPhone16とCanonRF50mmF1.8+MARUMIクローズアップレンズMC+4 43mmの比較紹介。
今回使用するフィルターは、マルミ光機 MARUMIのクローズアップレンズ MC+4 43mmだ。
各機材で比較するチプカシ






iPhone16と同じに見えるかもしれないが、色や背景のボケみがまるで違う。iPhoneの方は背景の布が写ってしまっている。
この時計の記事はこれ

各機材で比較するモバイルバッテリー




別の記事でも使用しているモバイルバッテリーだ。
これに関しては、クローズアップレンズの差はあまり感じなかった。
一方、フルサイズとスマホの比較ではその差が顕著に出た。
クローズアップレンズは、腕より小さいものに効果が出やすいようだ。
比較した結果、一番ダイナミックな寄りができるのはiPhone16だった。文字盤の金色のザラつきまでしっかり表現されている。
しかし、センサーサイズの差か、色やディテールの再現度はフルサイズカメラの方が上だった。肉眼で見た色に近いのもフルサイズのほうだ。
先入観かもしれないが、EOSRPで撮ったほうがどこかリッチさを感じる。本当にわずかな差だが、
俺がブログでどの写真を使いたいかというと、やはりフルサイズ。EOSRPだ。
CanonRF50mmF1.8に使えるフィルターはこれ。

Marumi クローズアップレンズ43mm
今回記事で使用したフィルター。1000円前後とお手頃なのにMade in Japanの信頼性まで兼ね備えている。
CanonRF50mmF1.8は、通称撒き餌と呼ばれるCanonのレンズだ。筆者も使っているが、こいつのフィルター径は小さめで、43mmだ。サイズのあうものでなければ使えない。
その他、自分の使っているレンズに合うフィルターを選んでほしい。適当に買ってもハマらないので注意。
RF50mmには使えないが、KENKOクローズアップレンズも。
3000円から。49mm~82mmのラインナップとなっており、筆者のCanonRF50mmレンズとは合わないので試せなかったが、他のメーカーからも同じようなレンズが出ていた。
MC+4、MC+3や、No.4、No3の違い。
MC+4(No.4も同じ)は、レンズの寄りに関する情報だ。4がクローズアップレンズの中でも一番寄れるレンズで、+3になると、4よりも少し引きになる。
今回の作例のようなドアップが撮りたい人にはMC+4。もう少し引きが良ければMC+3も選択肢に入る。
マクロ撮影はiPhone16で十分。それでもクローズアップレンズが必要な理由とは

iPhone15以前まではProモデル限定だったマクロ撮影機能だが、iPhone16からは標準モデルにも搭載された。
これによって、激寄りの写真は以前よりも気軽に撮れるようになった。
筆者はiPhone16を持っているので、超広角やマクロレンズを購入する必要がないと考えていた。実際、50mmの距離であればデジカメ、それより広角の時、それとは逆にかなり近い場面(マクロ)ではスマホを取り出せば良いので困らない。現代の宮本武蔵二刀流、下段の構えである。
なのにクローズアップレンズを購入した。
なぜか?
答えは、実際に使って比較しないとわからないから。iPhone16のマクロとフルサイズのクローズアップレンズ、どっちがリッチな写真になるか、試してみないとわからなかったからだ。
iPhoneのマクロ機能は優秀。それでもフルサイズにはスマホに代えがたい魅力がある。

同じようなマクロ的な写真でも、背景のボケ方や質感の出し方など、やはりフルサイズには一日の長があった。
iPhoneのマクロも使えるが、フルサイズのほうがよりリッチな作品になっていた。よりこだわるならフルサイズだろう。
スマホではスマホを撮れない。ガジェットブロガーならではの理由
もう一つの理由は単純明快。
スマホではスマホを撮れないから。
右手で右の肘を触ることはできないように、iPhoneでiPhoneは撮影できないのだ。
例えば、iPhoneそのものを撮影したいとき。レビュー記事や使用シーンを紹介したいときに、iPhoneを撮影するには別の機材が必要になる。
そんなときに、50mmのレンズとクローズアップレンズの組み合わせが役立つだろう。寄って撮れてボケも出る、質感も豊か。
予備。スマホが使えないシーンへの備えとして
さらにいえば、「予備は常に用意しておくべし」というのが、ガジェット好きの性というものだ。
たとえば、スマホのバッテリーが切れそうな時、突然フリーズして操作不能になった時、あるいは撮影中にLINEが来て撮りづらくなった時など。
意外とスマホって「完璧な道具」ではない。
そんな時でも、手元にデジカメとクローズアップレンズがあれば安心だ。
スマホが使えないシーンでも、しっかり寄れる手段があるのは強い。
……最近の悩みはフルサイズを撮るためのフルサイズが欲しいってとこだけど、それはまた別の話
まとめ:スマホがマクロに対応しても、クローズアップレンズの価値はある

iPhone16の登場でマクロ撮影はもうスマホで十分という風潮はあるかもしれない。
だが、実際に使ってみると、クローズアップレンズならではの表現や自由度があるのも事実だ。
- iPhoneだけでは撮れないiPhoneの写真
- 背景ボケや被写界深度の違い。iPhone16のマクロモードとF値モードは両立できない
- スマホが使えないシーンへの備え
これらを踏まえると、撒き餌レンズ+クローズアップレンズの組み合わせは、ブロガー・物撮り好きにとって非常にコスパの高い選択肢だと言えるだろう。
これ1つで済むなら、レンズを増やす必要がなくなるので、沼に沈むこともなかろう。