フィルムを貼っておけば、スマホを落としても代わりにフィルムが割れることでiPhoneが守られると考えている人は、今すぐフィルムを貼るのをやめたほうがいい。iPhoneの画面が割れるのを防ぐためにフィルムを貼るという考え方には、物理学的に限界があることを理解するべきだ。そこで本記事では、「フィルムは本当に必要なのか?」という疑問に対し、物理学的な観点を交えながらその真実を追求していく。
フィルムのおすすめはMagicJohn強化ガラスフィルムだ。
iPhoneにフィルムを貼る必要がない理由
iPhone16の強化ガラスとフィルムの限界

まず理解すべきことは、iPhoneの画面が割れる原因の多くは、強い衝撃や圧力が加わることによって起きることだ。最近のiPhone12以降は、Ceramic Shieldを採用しており、これによって日常的な使用ではかなりの耐久性を誇る。つまり、iPhone本体自体がある程度の衝撃には耐えられるように作られている。
フィルムを貼ること自体は、確かに画面に傷がつくのを防ぐことができるが、衝撃吸収の役割を果たすわけではない。物理学的に言えば、フィルムは非常に薄い材料であり、iPhone本体への直接的な衝撃を吸収することはできない。
フィルムが割れるのはどういうときか

ガラスフィルムが割れるのは、単にフィルム自体の破断強度を超えたときだ。
落下時の衝撃エネルギーはiPhone本体にも同じように伝わっているので、フィルムが割れてもスマホ本体が無事とは限らない。
学術用語で言うと、エネルギー吸収率が低く、フィルムが衝撃を吸収しているわけではない。
よく「フィルムだけ割れて助かった」と言う人がいるが、実際は“衝撃の分散”や“吸収”が起きたのではなく、単にフィルムが弱い素材だから先に割れただけだ。
強化ガラスが耐衝撃性を持っている

現代のスマホの強化ガラスは、基本的には非常に耐衝撃性が高い設計になっている。フィルムがなくても日常的な使用や軽い衝撃では、画面が割れることは少なくなっている。例えば、スマホをポケットに入れて歩いていて、何かと擦れるくらいでは、画面に傷がつくことはあっても、フィルムがなくても画面が割れることは稀だ。これに対して、強い衝撃(例えば落下)を受けた場合は、たとえフィルムを貼っていたとしても、ガラス自体が割れてしまう可能性が高くなる。
フィルムが必要なケース

では、フィルムが全く必要ないのかというと、必ずしもそうではない。衝撃を吸収するわけではないとしても、フィルムには他にも役立つ場面があるからだ。ここでは、フィルムを貼ることで得られるメリットを考える。
スマホの画面表面への擦り傷を防ぐため
フィルムは、主に画面に擦り傷がつくのを防ぐために有効だ。スマホをバッグの中やポケットに入れていると、硬い物質(例えば鍵とか)と擦れて傷がつくことがある。特に、スマホの画面よりも強度が高いものとぶつかると擦り傷がつきやすい。
スマホの画面は、カッターの刃より頑丈なので、カッターで擦っても傷はつかない。だが、背面のレンズを保護するガラスのほうがより強力なので、新型iphoneを複数購入し、重ねて比較レビューしていたYoutuberが、画面に傷をつけたりしている。こうした傷がつくことを避けるためには、保護フィルムが役立つ。画面の表面を守りたいという目的であれば、フィルムは有効だ。
スマホの外部からの覗き見防止のため

電車など、公共の場でスマホを使っていると、画面を他人に見られるのが気になることがある。読者も、スマホを取り出したら誰かに見られていると感じているだろう。特に混雑した電車では、隣の人に画面を覗かれてしまうこともある。こうした状況を防ぐためには、覗き見防止フィルムが役立つ。覗き見防止フィルムは、一定の角度から画面が見えづらくなるよう設計されているから、周囲の視線を気にせずにスマホを使うことができる。
指紋防止と清潔感

指紋がつくと画面がみすぼらしく、見た目が悪くなる。そこで撥油撥水コートがついているフィルムを使うことで、見た目にも清潔感を保つことができる。特に手汗が多い人や、スマホを長時間使うことが多い人にとって、指紋防止フィルムは便利な選択肢だろう。
おすすめのスマホフィルム
では、どのフィルムを選べば良いのか? これは、ほぼ2択に絞れる。
マジックジョン(Magic John)指紋防止、覗き見防止、擦り傷防止
マジックジョンは、名物社長が直々に宣伝するスマホフィルムだ。宣伝に惹かれ、だれでもまっすぐ貼れることに魅力を感じて購入したが、実際に使ってみると、貼りやすさはもちろん良かったが、それよりも撥油撥水コートがかなり良かった事が印象に残った。
これは、水や油を弾く加工がされているので、どんなに使っても指紋がつかない。多少ついても、ズボンのポケットに入れれば簡単にきれいになるレベルだ。
おかげで、スマホはずっときれいに保たれる。汚れてきた感じが全くしない。このフィルムは手放しにおすすめできる。ちなみに案件ではないので1円ももらってない。
DAISO ガラスフィルム 擦り傷から守る

言わずとしれた激安100円商品。擦り傷を防ぐ目的なら、これで十分に対応できる。
iPhone15Pro時代の1年間、16に乗り換えてから3ヶ月ほど、筆者も実際に使っていたが、すぐに指紋がついてしまう。フィルムなしの状態の方が指紋がつきにくいように感じる。DAISOのフィルムを貼るなら、指紋が目立つが、定期的に拭き取ることで対応できる。
【まとめ】フィルムで画面割れを防ぐことはできないが、貼る価値はある。

スマホのフィルムは、衝撃を吸収するわけではないため、画面が割れるときは割れる。割れないようにするには、フィルムではなくケースで保護するしかない。ただし、傷や指紋を防ぐため、また覗き見防止のためには、フィルムを貼ることにメリットはある。特に、スマホに貼るフィルムとしては、マジックジョン強化ガラスフィルムがおすすめだ。フィルムを貼ることの目的を明確にして、自分に合ったフィルムを選んでほしい。